株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)

純国産の安心感、監視項目の多さなどが採用の決め手。ビジネスの加速を実現した。

インターネットイニシアティブ(IIJ)が展開するクラウドサービス「IIJ GIO(ジオ)」は、顧客のビジネスを支える最適かつ高品質なクラウドプラットフォームです。 このIIJ GIOのサービスのひとつ、「IIJ統合運用管理サービス」に、サーバー・ネットワーク監視ソフト「パトロールクラリス」が採用されています。採用の決め手は、エージェントレスとWEB UIの2点。そして純国産の安心感と監視項目の多さだったと語ります。

純国産の安心感、監視項目の多さなどが採用の決め手。ビジネスの加速を実現

エンタープライズソリューション副部長 兼 M&Oサービス開発課長 福原 亮様
エンタープライズソリューション部 M&Oサービス開発課長代行 柳井 浩平様

株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)
  1. 株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)
  2. 情報通信業
  3. インターネットイニシアティブ(IIJ)は1992年に設立し、日本で最初に商用サービスを開始したインターネットサービスプロバイダー(ISP)です。 現在の注力事業として、大きく3つ、ネットワーク事業、クラウド事業、セキュリティ事業があり、ネットワーク事業は「IIJ Omnibus(オムニバス)」、クラウド事業は「IIJ GIO(ジオ)」、セキュリティ事業は「wizSafe(ウィズセーフ)」というブランドで展開しています。

▼IIJ統合運用管理サービスの概要

課題クラウド時代の新しい監視とはなにか

個人向けISPの草分け的存在である「IIJ4U」に加入していたという人も多いと思います。

1996年にスタートした「IIJ4U」は、2016年に「IIJmioサービス」に統合し、IIJmioとして個人向けサービスは継続しています。IIJはインターネット創成期に設立し、昨年、25周年を迎えました。しかし「ただ歴史がある」というだけにとどまらず、2018年には国内初の「フルMVNO(Mobile Virtual Network Operator)」としてサービスを開始するなど、今なお新しいビジネスにチャレンジしている会社だと言えると思います。

「新しい監視」とはどのようなものだったのでしょうか?

クラウドの時代になったことで、監視の対象がハードウェアから、OSやアプリケーションといった、インフラよりも上位レイヤーに移行していきました。つまり、web系のアプリケーションの監視、URL監視など、多岐にわたる監視が必要となりつつあったのです。一方で、すべてのサーバーがクラウドに代わったというわけでなく、オンプレのケースも散見されます。そのようなマルチでハイブリッドなシステム状況に適した監視機能が求められていました。われわれとしては大きな転機、ターニングポイントでした。

導入理由エージェントレスとWEB UIが決め手になった

採用の理由はどのようなことだったのでしょうか?

採用したのは2012年ですが、エージェント型の監視は限界に差しかかっていました。というのはエージェント監視だとお客様のシステムにわれわれのサービス、つまりエージェントをインストールしなければなりません。このエージェント管理に負荷がかかっていました。そのため、エージェントレスは必須でした。また、WEB UIの観点では、お客様自身で設定できる(ユーザーセルフ型)必要性を強く感じていました。この2つを絶対条件として新しい監視を検討することになったのです。

監視製品は国内外にさまざまありますが、機能面で見るとあまり大差はありませんでした。ただ、外資系の製品は画面が洗練されたデザインが多いものの、ローカライズされていないケースが多い印象でした。われわれはお客様に設定していただく必要があったため、日本語表示は外せないポイントでした。そうしたさまざまな条件で精査した結果、パトロールクラリスが最適という結論に至りました。

検討の段階では他社とも比較されたわけですね。

もちろんです。市場調査をして、10社ほどの製品をリストアップし、マトリックス表を作成して機能を〇×で比較しました。先に言ったようにどれも似たりよったりです。それぞれに良いところもあれば不足機能もあり、パーフェクトな製品というものはあり得ません。それに、×が付いたから不合格というわけでもありません。ただ、〇の数が多かったのがパトロールクラリスだったということです。 また、この適正調査は現在も定期的におこなっています。それでもパトロールクラリスを採用し続けているというのは、それだけ評価しているからだ、とは言えるでしょうね。

どのような点を特に評価されたのでしょうか?

まず、監視項目の多さです。2012年当時でも50項目ありました。それに、他社製品はエージェントレスをうたっていても、監視機能に制限がある場合がありました。しかし、パトロールクラリスはすべてにおいてエージェントレス。その点もよいと思ったところです。

また、必要な機能だけをチョイスして、ポイントでライセンスを支払う方式は斬新でした。そのため、うまく使えばコストは抑えられます。例えば、サーバーが100台あったとして、ある1台はフロントエンドサーバーなのでping監視だけすればいいという状態だとします。従来だと100台すべてにライセンスが必要となりますが、パトロールクラリスだと、該当のサーバーはping監視の1ポイントだけを選択すればいい、となります。

導入効果監視にかかる人員とコストを削減できる

従来であれば、このようなシステムは自社開発をされることが多かったのではないでしょうか?

もちろん、自社開発は可能でした。しかし、開発にはコストがかかり、運用するうえでもコストが発生します。例えば、新規OSがリリースされた場合の監視機能検証や、ハイパーバイザー、クラウドベンダーのAPIへの対応コストは、かなりの人員を割くことになります。つまり、製品活用と自社開発とでどちらがコストを抑えられるか、と考えたとき、われわれとしては製品活用が最適解だろうと判断をしました。

メリットがあるのはアライアンスだと考えたわけですね。

アウトソーシングビジネスは「監視すること」が目的ではありません。監視し、検知したアラートに対してどのように対応し、どう復旧させるのか。この運用機能がメインです。ですから、監視機能に開発コストをかけるのではなく、アラートをどう処理をするのかに開発コストを投入すべきだと考えました。 もちろん、パトロールクラリスをただ導入したわけではなく、カスタマイズもしていますし、バックエンドを含めた運用機能はすべてスクラッチで構築しています。そのカスタマイズとスクラッチの部分に注力したということです。

パトロールクラリスの導入に躊躇している企業は、「サービスのすべては自社で作らなければならない」と考えているのかもしれません。

「運用機能を作った」というと簡単に聞こえますが、これは監視機能を作るよりも実は何倍も大変です。それはIIJがこれまで培った運用ノウハウがあるからこそ、自社開発できたと考えています。 「会社のビジネスの根源は何なのか?」を考えて投資ポイントを決めるべきだと思います。監視することがビジネスのメインならば、自社で開発すべきです。そうでないなら、一考の余地はあると思います。

コムスクエアのサポート体制はどうでしょうか?

海外製品の場合、コミュニケーションが取りづらいこともあります。その点、パトロールクラリスは純国産なので安心感があります。また、コムスクエアは代理店ではなく、技術者がいて、その技術者と直接、話をすることができます。コアな開発者と共にサービスを作っていけるので話は早かったですね。

エージェントレスとWEB UIという点ではいかがでしょうか?

従来のエージェントによる運用ではサーバーがダウンした場合、その都度、エンジニアが対応しなければいけませんでしたが、そのコストは削減できました。また、WEB UIという点ではお客様自身によって設定可能となったことで、コストが削減できたことはお客様にとってもメリットと言えます。もちろん、ご依頼を頂いてIIJが設定することも可能です。しかし、お客様にとって使い方の幅が広がったとは言えると思います。

展望監視は第4時代へと進化する

現在、IIJさんにとって監視は第3時代とのことですが、第4時代の監視について、どのようにお考えでしょうか?

現在の監視機能は「システムの状態はこうなっています」と状況報告することです。それ以上でもそれ以下でもありません。しかし、第4時代になると「ここに不具合がある」と分析してくれるようになると考えています。そうすると、「このアプリケーションには、このような修正が必要」と一歩踏み込んだ対応が可能となります。つまり、単なる監視機能ではなくて、運用機能と連動したサポート機能が必要だと考えています。

第4時代では監視機能への付加価値がビジネスの肝になるでしょう。そのことで飛躍的に新しい世界にいけるようになるはすでず。そのような新しい世界ではもはやただの監視ではありません。障害対応情報が利用価値のあるものになり、アラートが出て改善策が蓄積されることが価値あるものになっていくでしょう。監視のアラートと蓄積された障害情報が、さまざまな対処方法を教えてくれるようになるはずです。ユーザは提示された対策方法から選択するだけでいい。

今の監視は障害を感知できても対処までは教えてくれませんが、それを教えてくれるようになると、ユーザは障害を解析する必要はなくなり、スピーディに、具体的な対策を提案することが可能となります。従来であれば原因の調査に相応の時間をかけ、そこから対策を考えていたのが、大幅に時間短縮が図れるわけです。 そのような時代の監視運用は、蓄積したあらゆるデータをどう活用するかが重要となり、われわれの仕事はもっとクリエイティブなものとなっていくでしょうね。

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導入実績として、ITメーカ・SIer・エンドユーザ問わず、各社の導入背景や選定理由、導入の効果などをインタビュー形式でまとめた資料となります。
ご検討いただく参考資料として参照ください。
CTCSシステムマネジメント株式会社

CTCシステムマネジメントでの採用。ビジネス展開としての活用がスタートした事例。

シュッピン株式会社

PATROLCLARICEサービスのフルライン導入(アプライアンス、クラウド、アラートコール)により、ECサイトを含む各自社システムを一元的に管理・監視する体制を構築。