CTCSシステムマネジメント株式会社
RPAによるビジネス改革最新事例。年間3,600 時間の効率化でクライアントへ更なる付加価値を提供!
CTCシステムマネジメントでは、煩雑になっているメールの仕分け作業を「パトロールロボコン」を中核にし、複数のソフトウェアと組み合わせることで年間3,600時間の効率化に成功。RPAを中心にしたビジネス展開で大きく飛躍しようとしています。
サービス開発本部 本部長代行(兼)運用サービス部 部長 楠川宣玄様
サービス開発本部 運用サービス部 部長代行(兼)第5課 課長 鈴村健太様
課題リモート運用事業の発展スピードに
システム環境と「人」が追い付いていなかった。
まずは、事業内容について教えてください。
鈴村:CTCシステムマネジメントは、客先に常駐しITシステム運用をサポートすることをメインの事業としています。そのため、エンジニアの8割が客先に在籍しており、残りの2割でその常駐メンバーに対してサポートやソリューションを提供し、支援しています。 我々の取引している企業は300社以上に上ります。
楠川:そのように取引企業が多種にわたるため、組織は流通や情報通信など、業種業態別に分かれて構成されています。そのなかで我々が所属するサービス開発本部は、全社を横断して技術で支援する部署で、かつ、運用サービス部は、新しいビジネス開発がミッションとなっています。
サービス開発本部は何人体制の部署なのでしょうか?
楠川:約300名の社員がいます。また、運用サービス部は68名です。
大きな組織ですね。
楠川:いやいや、まだまだ大きくしなければなりません(笑)。
パトロールロボコンを導入するにあたり、どのような課題があったのでしょうか?
楠川:我々のビジネスのひとつに、リモート運用サービスがあります。これは、運用や監視、障害復旧など、お客様がIT運用のために行っている業務を代行し、リモートセンターで支援する、というサービスです。現在、約70社と契約していますが、人的リソース含めた当時の環境では限界を迎えつつありました。
と、いうと?
楠川:弊社はその約70社をトータルで運営しているのではなく、一社をひとつとして運営しています。つまり、70社あると70通りの運営体制を取っているわけです。
一社ずつ顧客が増えて行き、個別対応しているうちに対応できないほど顧客が増えた?
鈴村:そうです。リモート運用は専任型ではなく、シェアード体制なため、顧客が少ない間はよかったのですが、増えてくるとその分、負荷が増大している、という状態です。
楠川:現在、13名のオペレーターがシフトで担当しています。オペレーターは約70社からアラートのメールがバラバラに来るのを、マニュアルに沿って即時対応すべきアラートと、アラートの受信確認のみ行い静観対応するアラートに仕分ける、という作業をしていました。この作業量が通常状態で月に7~10万件と膨大な上に作業は複雑で、とても工数がかかっていました。
それは大変ですね。
楠川:リモート運用センターでは、CTCS独自の監視システムだけではなく、お客様が保有する監視システムのアラートも受け付けているため、お客様ごとに対応内容やルール、対応時間が異なります。そのため、統一的に管理できる環境の構築に着手できなかった、ということが理由としてあげられます。
導入理由識別の能力が高く、バリエーションがあることが決め手
パトロールロボコンの導入はその作業の効率化のためですね。
楠川:このような作業の効率化にはRPAが効果的だということはずっと以前からわかっていました。実はRPAが注目される以前の2013年から導入を検討していました。しかし、その当時はまだ時期尚早で、業務プロセスの見直しや、RBA(Run Book Automation)の活用で業務効率化を目指していました。
すると、RPAについてはかなり、詳しかったわけですね。
楠川:そう自負しています(笑)。
パトロールロボコンを導入した理由を教えてください。
楠川:選定では4社のRPAを比較検討しました。そのなかで、既存のITシステム運用環境に手を加えず、アラートメールの仕分け作業ができるRPA製品がパトロールロボコンでした。パトロールロボコンなら我々の抱えている課題が改善できる可能性がある、ということから選定しました。
鈴村:また、お客様の環境にリモート運用を提供する関係上、リモートログインが必須です。パトロールロボコンは、テキストボックスやテキスト判別に優れており、リモートデスクトップ接続越しの画面に対してもテキスト操作ができたため弊社の業務にマッチしました。
選定にはどれくらいの期間があったのでしょう。
楠川:3か月くらいですね。実は一度、別の製品を導入して検討してみたのですが、弊社が使用しているメールシステムとの相性が悪かったため、最終導入には至りませんでした。パトロールロボコンはメールシステムとの相性というハードルをクリアしていたこと、画像やテキストの比較機能が優秀だったこと、仕分作業に対してさまざまなやり方のバリエーションがあったこと、以上の評価がパトロールロボコンの選定理由となりました。
導入効果パトロールロボコン導入で年間1,000時間の効率化
導入して効果はありましたか?
鈴村:例えば、リモート運用を提供しているA社様で効果がありました。A社様の業務は、夜間作業が必須であり、かつ、翌朝の6時までにシステム処理を確実に完了させないといけないというミッションクリティカルな作業でした。 そのため、CTCSの作業者もプレッシャーがかかり、品質面、効率面の両方で対策を考えていました。
楠川:この業務にパトロールロボコンを適用することで、月約50時間の削減効果を実現するとともに、品質面も一定化できるという効果を得ることができました。
取組まれている「Robochestration(ロボケストレーション)」とは何でしょうか?
鈴村:我々はRPA導入の過程で一つの新しいコンセプトに行き着きました。パトロールロボコンをはじめとするRPAツールを中核に置き、さまざまなソフトウエアの組み合わせをRPAがコントロールしながら効率化を実現する、というコンセプトです。
楠川:パトロールロボコンをはじめとするRPAツールはその組み合わせのエンジンとして活用する。この新しいコンセプトを、RPAの「ロボ」+組み合わせの「オーケストレーション」から「Robochestration(ロボケストレーション)」と名づけました。パトロールロボコンはその中核を担っています。
ひとつの作業を効率化するのに活用するだけでなく、中核に据えトータルで効率化を図る、ということですね。
楠川:そうです。パトロールロボコンを中核に据えて、別のソフトウエアでメールをフィルタリングするとか、インシデントする、ナビゲーションすることによってトータルで年間約3,600時間が削減できました。ひとり月約150時間の稼働時間として2年分が効率化できた計算です。
鈴村:しかし、この効率化は人を削減することが目的ではありません。何かトラブルがあったときは元の業務フローに戻す必要もあります。なので、100%で稼働していたところに余力を作ろう、というのが目的でした。
「Robochestration(ロボケストレーション)」は今後どう活用されていくのでしょうか?
楠川:RPA市場が盛り上がりを見せ、日本企業への浸透が進むなか、我々がたどり着いたロボケストレーションという組み合わせのコンセプトが世の中にどんどん広まっていけばいいなと思っています。現在当たり前のように「クラウド」という言葉が定着していった、そんな風に「Robochestration(ロボケストレーション)」が広まっていくのが夢です。
RPAビジネスの展望社内の活用はもちろん、社外へもビジネス展開をはかる
RPA導入にデメリットのようなものはありませんでしたか?
楠川:RPAの導入には設備投資もかかり、コスト削減が叫ばれている昨今で二の足を踏んでしまう企業も多くあるかと思います。しかし、働き方改革として業務の効率化は時代の流れであり、ミスなく業務を推進することは、新しい価値だと考えています。我々は生み出した余力でクライアントに高品質なさらなるケアをする、というのが基本的なスタンスです。
RPAビジネスの展開は考えているのでしょうか?
楠川:我々はRPAを内部で展開すると同時に別の組織に横展開し、お客様に対してプロモーションして行くことを考えています。つまり、我々のメインビジネスであるアウトソーシングをRPAで効率化を高める方向に舵を取ることになったのです。 実は、最初、内部だけの展開だったのですが、セミナーなどで外部にプレゼンテーションをしたところ、「我社にも提供して欲しい」という要望が多くあった、というのがその理由です。
鈴村:それだけ、世の中でRPAに対する関心が高まっているのだなと感心しました。
リモート運用以外でも活用していく、ということですね?
楠川:そうです。「Robochestration(ロボケストレーション)」のコンセプトとともに活かしていきたいと考えています。「複数のITツールやアプリケーション、ソリューションとの連携が業務効率化、生産性の向上をもたらす」をキャッチフレーズに展開していきたいと思っています。 例えば、昔で言えばバッチ処理といったところにも活かすことができます。システム管理を行っている担当者も効率化に対して悩みを抱えています。その改善に「Robocestration(ロボケストレーション)」のコンセプトは活躍すると考えています。
鈴村:我々の改善は続けながら、我々の経験を基に外部に対してビジネスを展開させて行きます。
RPAのビジネス展開は後発、という考えはないでしょうか?
楠川:後発だという考え方もあります。しかし、それは良いことだと思っています。我々は運用会社なのでサンライズモデルではなく、サンセットモデルを目指すべきだと考えていたからです。 とはいえ、RPAの市場が活発化したのは2017年下期から。RPAプロジェクトはすでにスタートしていたので後発でもありません。よいタイミングでスタートできたと考えています。
鈴村:我々は単純にRPAを売りたいわけではなく、RPAを活用したアウトソーシングを目指しています。なので、RPAが成熟した今が丁度いいスタートラインと考えています。その意味ではむしろ先発だとも言えるかもしれません。
楠川:我々は、RPAの導入で困っているお客様に対して何ができるかを考えるのに時間を使うのではなく、できると思うところからまず適用して効果を体感してください、という話をしています。そうすればロボケストレーションの価値はお客様に理解して頂けると思っています。
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